「日本軍將兵諸君」の詳細

整理番号 945
識別番号 J170
見出し 日本軍將兵諸君
ふりがな にほんぐんしょうへいしょくん
ふりがなの有無 あり
作成組織 B
使用言語 日本語
絵の色 なし
絵柄 なし
紙の色
写真 なし
本文
【ビラ本体画像1】
日本軍將兵諸君

昭和十九年一月丗一日、米軍は海陸空三位一體の作戰を以てマーシャル群島を襲撃、僅々三日にして其主要根據地たるクゥジャロンの占領を見、ついで二月十六日同じくマーシャル群島東北部に位するエニウェトク島とカロリン群嶋中のトラックを砲爆撃、而して又一方カビエン及ラバウルにも艦砲射撃を加へた。トラックに於ける艦船十八隻航空機百廿の喪失は、しばらく大本営の発表によるも、諸君が既に御承知の通りである。今やエニウェトクもおちた。しかして此等作戰が本格的日本側の妨なしに行はれた事は聯合軍が中央並びに南太平洋方面に於て制海制空の兩權を握り居る事を示すもので、此の優勢なる聯合國海軍に對し日本海軍は日本々土及至は内線が攻撃せらるゝ迄戰を肯ぜざるは明である。俄然二月廿一日に至り參謀總長元帥陸軍大將杉山元、軍令部總長

【ビラ本体画像2】
 帥海軍大將永野修身は其職を免んぜ□れた。軍部も遅蒔乍ら過去一年間に於け□作戰計画の杜撰、百千の將兵をして遠隔□地に放置、補給の道もたえだえに、各所犬□せしめた事をさとった。当初よりの作戰□画が正しかったら今更「敵艦隊の近づくを□って一擧に」を云々するの要を見ぬもの、又□回の更迭は必勝の信念を失った者の形□、何等の効果もなく、日露戰爭当時「内に□縣あり、外に兒玉あり」のあの終始一貫□も漏さぬ陣容にくらべると実に隔世□感がある。且つ東條首相の參謀總長兼□嶋田海相の軍令部總長兼任はこの日□有史以來未層有の國難に際し、いかに□物が拂底しておるかを如実に示す□同時に、この少數者の手中に文武百般□權力を握らねばならぬ迄にたち至っ□事は時局の頗る重大化した事、今後□本土防衛を主に、南方軍の如きは切り□である事に日本の腹がきまったことを□すものであろう。