「日本内地の食料問題」の詳細

整理番号 835
識別番号 J304
見出し 日本内地の食料問題
ふりがな にほんないちのしょくりょうもんだい
ふりがなの有無 なし
作成組織 B
使用言語 日本語
絵の色
絵柄 あり
紙の色
写真 なし
本文
【ビラ本体画像1】
日本内地の食料問題

【ビラ本体画像2】
日本内地に於ける食料問題

五年前ナチドイツか世界征覇をめざし平地に波瀾を巻起し戰を始めんとするや其民に云つて曰くには「めしか彈か」と功名心に眩惑された民は「めしよりも彈」と答へた。然し今にいたりドイツ國民は其非を悟つて居る。戰には敗れ、平和は來たものゝ全民等しく空腹に泣いて居る。
日本國民がこのドイツ國民の二の舞を踏まざるを望むや吾人実に切なるものあるのであるが、目下の情況は甚だ心もとない。即ち日本の軍需要求が惎だ急なる爲、其方に労力をとられ食料産出が減つた配給米の減少、魚類の得難き事、又肉類の配給は殆んど無く、それにマリアナ、沖縄等より毎日の樣に行はるゝ爆撃、フイリツピンより行はるゝ支那海の封鎖日本側船舶の爆撃等一つとして日本に於ける料食問題に暗い影を投げぬものはない。
栄養分欠乏より來る欠勤勞務者、脚気、結核等にかゝる者著しき増加を示して居る。
しかし一方闇で公定價格の十倍乃至二十倍を拂って美食して居るものもある。其内にはこの戰爭を始めた當の責任者及軍部の人々もある。
日本國民も亦遂にドイツ國民の覆轍を踏むに至つたか。