整理番号 | 33 |
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識別番号 | 532 |
見出し | |
ふりがな | |
ふりがなの有無 | あり |
作成組織 | C |
使用言語 | 日本語 |
絵の色 | 赤 |
絵柄 | あり |
紙の色 | 白 |
写真 | なし |
本文 |
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【ビラ本体画像1】 最近ノルマンヂーの獨逸海軍少將ヘネキウオルタ閣下は米軍上陸と共に我が軍門に降つた。第一次歐洲大戰の際にも閣下は二年間英軍の手中に入ってゐた事がある。然しながら第一次歐洲大戰と今次世界大戦に於ける成果には非常に勝れたものがある。 我々の注意を引くのは此の海軍少將ヘネキ閣下の行爲とサイパンに於いて切腹をされた海軍中將南雲閣下の行爲との相違せる点である。 切腹をして何の價値があるか?切腹をしたならば君の祖先並びに君の名を後世まで繼續する人が無くなつて終ふのである。 君はあとに殘した家族が可哀想だと思はないか? 幸福で圓滿な家庭が戀しいとは思はないか? 武器を捨てゝ來れ!!米軍側に!! 無益に生命を捨てるな!! 【ビラ本体画像2】 何故皆さんは何時も強い米軍から逃げなければならないのですか、何故戰爭に負けて死なゝければならないのですか。 日本の將校は戰爭の用意をする役目を持つてゐました、それで敵を滅すのに必要な武器を皆さんにやり戰爭の仕方を考へるのが將校の仕事でした。 しかし内地からたゞ三百五十哩しか離れてゐないこの島を米軍が取らうとしてゐます、この島を守る事が出來ず、その責任を持たなければならない將校はこの島から何時飛行機や潜水艦で逃げようかと今相談してゐます。ですから皆さんはこの島に殘つて最後まで戰ふ必要はありません。 |