「残されし小舟に陸軍べそをかく」の詳細

整理番号 1726
識別番号 2-J-1
見出し 残されし小舟に陸軍べそをかく
ふりがな のこされしこぶねにりくぐんべそをかく
ふりがなの有無 あり
作成組織 F
使用言語 日本語
絵の色
絵柄 あり
紙の色
写真 なし
本文
【ビラ本体画像1】
残されし小舟に
陸軍べそをかく

【ビラ本体画像2】
日軍將兵諸君

我々は諸君の現况を嘲笑しようとするのではない。寧ろバタン及コレギドールでの經驗を有す我々は諸君の現境に對し同情せざるを得ないのである。
バタン、コレギドールでは當時我々として外に取るべき途はなかつた。其の理由は比島近海の制海權が日本海軍の把握に有つた為ではなからうか?
以来戰況に一大轉回を來たらした、本島近海の制海權は現在誰の手に依つて握られて居るか?
軍需品及び諸君を輸送して來た船舶又其の護衛に任じて居た日本海軍は何處へ行つたのであらうか?
諸君も旣に知つて居る通り、我航空機、潜水艦及軍艦等の為日本の船舶は多大なる損害を蒙つた。果してまた浮動して居る船船が有るだらうか?其れは有る事は有るであらう。然して其の残りの船舶を諸君は近頃見た事があるであらうか?海軍が多分安全な處に避難さしたのであらう。
一島の守備地に船舶の入港が全然不能となつた時諸君は始めて大海の孤島に遺棄された事を悟るのであらうか?