「日本軍兵士諸君に告ぐ」の詳細

整理番号 1292
識別番号 106-J-1
見出し 日本軍兵士諸君に告ぐ
ふりがな にほんへいししょくんにつぐ
ふりがなの有無 あり
作成組織 F
使用言語 日本語
絵の色

絵柄 あり
紙の色
写真 なし
本文
【ビラ本体画像1】
・・・・武勇ヲ尚フモノハ常ニ人ニ接スルニハ温和ヲ第一トシ諸人ノ愛敬ヲ得ムト心掛ケヨ由ナキ勇ヲ好ミ猛威ヲ振ヒタラハ果ハ世人之ヲ忌嫌ヒテ豺狼ナトノ如ク思ヒナム
心スヘキコトニコソ

【ビラ本体画像2】
日本軍兵士諸君に告ぐ

諸君が比島作戰に従軍中、日本軍の将校の中には罪のない婦女子をさへ殺害せよと言ふ樣な、實に軍人精神に反する命令を出したものが幾人もあつた事は御承知の事でせう。
軍人同士の戦争に非戰闘員である、罪のない婦女子まで殺せと言ふ樣な日本の將校に對し、兵士諸君は定めし失望と恥しさを感ぜられた事でせう。
この樣な將校達は戰闘作戰では見事に失敗し、諸君をこの樣な惨めな狀態に置きながら、卑怯にも、戰ふ術もない市民ならばと言ふので殺してしまつたのです、一方では部下に對し、神の樣な兵士になれ、と云ひ乍ら、こんなことがよくも出來たものです。諸君はこう言ふ不名誉は、非武士道敵な事を强ひる將校の下に何時迄も働く事が出來ますか。
無垢の可弱い、然かも無抵抗な婦女子や悪意のない一般市民に對して、この樣な殘虐行爲を敢てさせた將校に對して、どうして尊敬の念を拂ふ事が出來ませうか。
諸君!よくお考へ下さい。
マニラに於て日本軍が婦女子を虐殺した樣に、諸君の両親、妻子が虐待され、殺害されたらどんな気持ちがするでせうか。