整理番号 | 1239 |
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識別番号 | 801 |
見出し | |
ふりがな | |
ふりがなの有無 | あり |
作成組織 | C |
使用言語 | 日本語 |
絵の色 | なし |
絵柄 | なし |
紙の色 | 赤 |
写真 | あり |
本文 |
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【ビラ本体画像1】 夏も過ぎ去り紅葉の咲き乱れる秋に入って行くにつれて人間の生き樣とする信念は一層强くなって行く。 それは君達の國も我々の國も同じだらう。 檞や紅葉も次第に色づき初め其の深紅色とオレンヂ色は緑の草と青空に映へて何とも言えない美しい景色となり、そよそよと吹く秋風は肌に冷たい程新鮮である。 君は此の悲惨な小島で唯飢餓と病氣に苦しめられながら死を待つばかりである。 君には春は再びやって來ないだらう。平和がやってた時内地の人達は互い生き抜く事の出來た喜びに杯れ彼等の友人或は愛する人と共に笑ひ狂じて樂しんでゐる時、君は唯骨だけとなり地下の人と成ってる事であらう。君の死後、唯一人として君の名前を呼び記憶して居てくれる人は居ないだらう。何萬何千といふ死者の中で誰が君一人を覺えて居てくれるだらう。 無駄な抵抗は止して我々の所へ來給へ。 我々は君達に食物と水を與へ介抱もして上げよう。 そうして新しい春がやって來た時、君は再び生まれ變るのだ世界は廣い。つまらない死方をするより、新しい世界のやって來のを待ち給へ。 【ビラ本体画像2】 (写真) |