整理番号 | 1210 |
---|---|
識別番号 | J184A |
見出し | |
ふりがな | |
ふりがなの有無 | あり |
作成組織 | B |
使用言語 | 日本語 英語 |
絵の色 | 赤 青 |
絵柄 | あり |
紙の色 | 白 |
写真 | なし |
本文 |
---|
【ビラ本体画像1】 THE BEARER HAS CEASED RESISTANCE. TREAT HIM IN ACCORDANCE WITH INTERNATIONAL LAW. TAKE HIM TO THE NEAREST COMMANDING OFFICER. C.-in-C. ALLIED FORCES. 【ビラ本体画像2】 皇軍將兵諸君 諸君の現在の情况が絶體絶命である事は諸君自身よくご承知のことであり從って其殘された道はも早病死、傷死、或は餓死の他なく、而こうして死んで見ても何の役にも立たぬ事なる事も亦御承知であろう。諸君は「御國の爲に死ぬ」と云ふ事を教へられた。しかし「役に立たぬ死」は教へられてない筈であり、かつ左樣な死が忠でない事もご承知だ。忠義とは「死をもかへりみず任務を遂行する」ことで、死んでも使命を果す事ができぬと分った以上、その死は最早犬死である。諸君が數ヶ月にわたる悪戰苦鬪は吾々のひとしく讃嘆するところで、これまでによく戰ひよくしのび、以てその任務の遂行に努力した以上諸君の良心は何等やましきところなく、諸君の今迄の忠節は生死によって決して其ねうちをかへるものではない。戰後の日本の爲には一人でも多くの日本人を必要とする現在の諸君にとり最大の忠義は犬死をやめ、潔くいでゝ降り、以て戰後の日本の爲に働く事の出來る道を開くにある。聯合軍は投降を収容とを論ぜず之を遇するにジュネーブ國際協定に基き士道を以て之を待つ。部隊として軍使をおくらるに於ては帶劔許容等の條件づき降服を議するの用意もある。幹部諸君は須らく部下將兵の貴重たる生命及び其活力の向後の日本に資する價値に思を致され、速に軍使を送られん事をのぞむ。又單獨いでゝ当方に來らるゝ將兵に對しても決して武人の面目をきづゝくるが如き、乃至は人道にもとるが如き虐待をうくるが如き事は絶對にない。当方にこらるゝ時はまちがひをさくるため本紙を頭上にふり乍ら來られよ。此紙なくとも、手をあげて來られゝば同じである。直ちに濠洲に送られ、既に來ておる數百の日軍將兵と一所に健康に明朗に、又の日の御奉公に備へる事ができる。 聯合軍最高指揮官 うらの英文には「この紙を所持しおる者はすでに敵ではない。國際法に從ひ親切にとりあつかひ、もより指揮官のところにおくるべし。 聯合軍最高指揮官」と記してある。 |